プレーン
シナリオにあるから私はここにいる。
僕は、
敵か味方かも分からないその電話番号に望みを賭けた。
「もしもし。」
こころ。
彼女の声を聞く。
それだけで、
疑いや怒りの芽は種になり、
種は弾けて消えて行く。
「こころ、君に会いたい。」
通話は途絶えて、モノクロめいた音が耳を通って行った。
これでおしまい。遊びに飽きたか。
携帯電話がまた一通、投げて寄越した。
最後の言葉か。
"信じられない話だから、嘘だと思うだろうけど。"
"それでも私は友達だから、ナツメ君に話したい。"
"私の事を"
"君の事も。"