櫻桃~サクランボみたいな二人~
≪7階-部屋前≫
_ガチャ_
「開いた…開けるぞ?」
「うん…」
_キィィ…_
「うぅわ…!部屋まで広い…。光輝、この部屋高いでしょ?」
「気にすんな!」
_コンコン_
「失礼します。ようこそ、当旅館へおいでくださいました」
突然入ってきた人に、光輝とあたしは一礼した。
「仲居の湖須美多恵といいます」
「この旅館、凄い綺麗ですね」
「ありがとうございます」
この仲居さん、美人~!
目はクリクリしてて、華奢な体のラインが、着物によってはっきり分かる。
それに、笑った顔がほんわかしてる。
それに一番心配なのが…。
光輝。
さっきから、光輝と仲居さんが仲良く話してる。
仲居さん、綺麗だし…光輝が惚れるのも分からなくないか。
「そちらのお嬢さんは彼女さんですか?」
「いえ。幼馴染みです」
光輝からそう言われるのが嫌で、自分で言った。
_ニヤリ…_