涙が愛しさに変わるまで
「まー子の泣き虫は変わんねぇなぁ。」
あたしが落ちついてきた時、ゆっくり体を離しながら桐沢社長が言った。
あたしは桐沢社長の顔を見ることができず、下を向いていた。
昨日はお酒も入ってたし、暗くてよくわからなかったけど、桐沢社長……またかっこよくなった。
髪も少し短くなってるし。
久しぶりの桐沢社長は本当にかっこよくて……直視できないよ。
「なぁ、まー子?」
「……は、はい」
「おまえ彼氏いんの?」
そんなの……できるわけないの。
「いません。」