涙が愛しさに変わるまで
あたしがずっと下を向いていたら、桐沢社長がしゃがんで覗き込んできた。
「わっ!!」
一気に熱がでたように、顔が暑くなったのがわかった。
後ずさりして、慌てて椅子に座ったあたしを見てクスクス笑った桐沢社長。
あたしは恥ずかしくて、ぎゅっと目をつむった。
「……まー子?おまえが会社を辞めた日、俺に告白したこと覚えてるか?」
………そうだよ。
3年前、あたし告白してたんだ。
「おまえ一方的に電話切りやがって。本当バカはこれだから困るんだよな~…」
桐沢社長は、はぁ……と溜め息をついた。