― Summer Drop ―
しかし千夏の気持ちを知らない辰雄は納得できない。


「お前の応援がいるんやって!千夏が応援してくれたら、今回は勝てそうな気がすんや。」

「やだ。」

「来いって。今週の日曜やぞ。」

「……行かん。」

「頼むわ。」

「いや。」



当人達にとっては日常会話だが、

近くで聞いている方にはまるっきり告白にしか聞こえない。



「田岡君しつこいっ。」

堪りかねて朋子がストップを掛ける。


「ごめんなぁ、こいつアホやろ。ほら、辰雄行くぞ。」

強制退去決定。

辰雄の友達が、無理やり辰雄の腕を引っ張って連れて行く。



「来いよー………。」

姿が遠ざかっても聞こえてくる声に、千夏は頭を抱えた。

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