― Summer Drop ―
「あっつい……。」

日曜日。



射すような日差しの下、

セミの合唱に包まれた城内球場に千夏はいた。


スタンドが全て石でできているため、

座っているだけで暑さが下から立ち昇ってくるようだ。

となりに座る朋子も、日差しと蒸し暑さからスポーツタオルを頭に被せ、

凍らせて持ってきたペットボトルを頬に当てている。



千夏はグラウンドで試合前の練習をしている辰雄を睨んで、

金曜日のことを思い返した。


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