― Summer Drop ―
「にしても、こんなに応援に来てる子おるんやね。ちょっとビックリした」

朋子がパタパタと手で顔を扇ぎながら言う。

息子の応援に来たであろう保護者、そして千夏たちと同じ位の年齢の女子生徒で

スタンドはほぼ埋まっていた。



「川原君やっぱカッコええなぁ!!まだ二年やのにエースやもんね」

「応援来てるん気づいてくれとるかなぁ!?」

少し前に座った、制服を着た二人が興奮気味に話している。

セーラー服の襟には「E」のアルファベットが刺繍されていた。


「へぇ…千夏、あの東中のピッチャーも二年やって。…………千夏?」
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