花粉症の男性が出会った植物
翌日、起きて見ると植物の異変に気付いた。
昨夜、葉っぱは淡い色だったのが、今ではハッキリとした緑色になっていた。
「コレ…栄養のおかげ、か?」
にしても、あまりに激変過ぎる気が…。
でもまあ、悪いことじゃないよな?
オレは気がかりになりながらも、会社に出勤した。
そして帰り道、あの男へ会いに行こうと思い、裏道を歩いた。
しかし、男はいなかった。
「今日は来なかったのかな?」
路上だし、そういうこともあるだろう。
オレは家に真っ直ぐに帰った。
そして水をやろうとした。
しかし予想以上に針を深く刺してしまい、血は3滴ほど水に入ってしまった。
「やばっ…。でも説明書には多くやるなって書いてないよな?」
改めて、説明書に眼を通す。
【④お客様が与えられた血の量に応じて、植物の成長は変わります。お客様のご希望を受け、美しい姿を見せてくれます】
「…なら、平気か」
オレは大して考えず、水をやった。
「この調子の成長なら、そろそろつぼみの一つか二つ、見ても大丈夫そうだな」
買った時に咲いていた花は、すでにしぼんでいた。
他のつぼみはまだ、葉っぱと同じ色をしていて、触ると固かった。
けれど昨夜よりは格段にふくらんでいる。
「…どんなふうに咲き誇るのかな?」
昨夜の一輪の花では、花粉症は起きなかった。
けれどあの花はあまりに小さ過ぎる。
この植物の形態であれば、小さな可愛らしい花がたくさん咲くのだろう。
その時が楽しみだ―そう思っていた。
この時までは。
昨夜、葉っぱは淡い色だったのが、今ではハッキリとした緑色になっていた。
「コレ…栄養のおかげ、か?」
にしても、あまりに激変過ぎる気が…。
でもまあ、悪いことじゃないよな?
オレは気がかりになりながらも、会社に出勤した。
そして帰り道、あの男へ会いに行こうと思い、裏道を歩いた。
しかし、男はいなかった。
「今日は来なかったのかな?」
路上だし、そういうこともあるだろう。
オレは家に真っ直ぐに帰った。
そして水をやろうとした。
しかし予想以上に針を深く刺してしまい、血は3滴ほど水に入ってしまった。
「やばっ…。でも説明書には多くやるなって書いてないよな?」
改めて、説明書に眼を通す。
【④お客様が与えられた血の量に応じて、植物の成長は変わります。お客様のご希望を受け、美しい姿を見せてくれます】
「…なら、平気か」
オレは大して考えず、水をやった。
「この調子の成長なら、そろそろつぼみの一つか二つ、見ても大丈夫そうだな」
買った時に咲いていた花は、すでにしぼんでいた。
他のつぼみはまだ、葉っぱと同じ色をしていて、触ると固かった。
けれど昨夜よりは格段にふくらんでいる。
「…どんなふうに咲き誇るのかな?」
昨夜の一輪の花では、花粉症は起きなかった。
けれどあの花はあまりに小さ過ぎる。
この植物の形態であれば、小さな可愛らしい花がたくさん咲くのだろう。
その時が楽しみだ―そう思っていた。
この時までは。