花粉症の男性が出会った植物
しかしまたもや翌朝、びっくりした。
あれほど固かったつぼみは、今や色を変え、柔らかそうにふくらんでいた。
「そんなまさかっ!」
おそるおそる触れてみると、確かに柔らかい感触。
鼻を近付けると、甘い匂いがかすかに漂ってきた。
「…血が、栄養になっているのか」
にわかには信じられなかった。
しかし現実は目の前にある。
オレは不思議な高揚感を感じた。
この植物は、まるで血を分けた我が子のようだ。
おかしな言い方かもしれないけれど、オレの血を栄養とし、ここまで成長するなんて、自分の子供とも言える。
オレはしかし、心残りがありながらも、会社へ向かった。
収入を得なければ、オレが生きていけないから…。
けれど本心を言えば、この植物の側にずっといたかった。
成長を一時も眼を離さず、見つめ続けていたかった。
オレは仕事が終わると、走って家に帰った。
植物は朝見た時よりも、少しつぼみがふくらんでいた。
オレは買ってきたミネラルウォーターを開けた。
今までは水道水だったけれど、植物用の水もあるのだ。
途中、花屋で買ってきた。植物に良いと思って。
コップいっぱい分そそぎこむと、今度はカッターで指を切った。
ボタボタ…
透明な水が、赤い血がまじり、濁る。
けれどそれを植物にそそぎこむ。
「これで元気になってくれよ♪ お前がどんな成長した姿を見せてくれるのか、楽しみだ!」
翌朝、起きて見ると、予想が的中した!
花が咲いていたのだ!
淡いピンク色の、可愛らしい花々が咲いていた!
そして柔らかくも甘い匂いが、部屋に満ちていた。
けれど花粉症の症状は起きない。
どうやらあの男が言った通り、本当に相性が良いみたいだ。
オレとこの植物は。
あれほど固かったつぼみは、今や色を変え、柔らかそうにふくらんでいた。
「そんなまさかっ!」
おそるおそる触れてみると、確かに柔らかい感触。
鼻を近付けると、甘い匂いがかすかに漂ってきた。
「…血が、栄養になっているのか」
にわかには信じられなかった。
しかし現実は目の前にある。
オレは不思議な高揚感を感じた。
この植物は、まるで血を分けた我が子のようだ。
おかしな言い方かもしれないけれど、オレの血を栄養とし、ここまで成長するなんて、自分の子供とも言える。
オレはしかし、心残りがありながらも、会社へ向かった。
収入を得なければ、オレが生きていけないから…。
けれど本心を言えば、この植物の側にずっといたかった。
成長を一時も眼を離さず、見つめ続けていたかった。
オレは仕事が終わると、走って家に帰った。
植物は朝見た時よりも、少しつぼみがふくらんでいた。
オレは買ってきたミネラルウォーターを開けた。
今までは水道水だったけれど、植物用の水もあるのだ。
途中、花屋で買ってきた。植物に良いと思って。
コップいっぱい分そそぎこむと、今度はカッターで指を切った。
ボタボタ…
透明な水が、赤い血がまじり、濁る。
けれどそれを植物にそそぎこむ。
「これで元気になってくれよ♪ お前がどんな成長した姿を見せてくれるのか、楽しみだ!」
翌朝、起きて見ると、予想が的中した!
花が咲いていたのだ!
淡いピンク色の、可愛らしい花々が咲いていた!
そして柔らかくも甘い匂いが、部屋に満ちていた。
けれど花粉症の症状は起きない。
どうやらあの男が言った通り、本当に相性が良いみたいだ。
オレとこの植物は。