無口なDarling
あの男の名前なんか呼ばないで欲しい。
お前の口から違う男の名前が出るだけで嫌だ。
「呼ぶな!!」
気が付かないうちに、俺は怒鳴っていた。
澄子の小さな体がビクッと揺れる。
・・・
また、怖がらせた。
澄子の大きな瞳が揺れる。
「ごめ・・・」
小さな声で謝る澄子。
謝るな。謝るな。
悪いのはガキの俺だ。
どうすればいい?
どうすれば・・・
こんなに好きなのに、どうして傷つけてしまうんだ?
「猛・・・」
もう限界だと思った。
澄子は泣きはらした様な目をしていることに今気がついた。
昨日、あれから一人で泣いてたんだな。
俺が泣かしたんだ・・・