無口なDarling


「・・・」


「猛っ!どこ見る?」


「あ?聞こえねー」


人ごみなのと、猛の後ろにいるせいで会話ができない。



コレなら横でぶつかられながらも猛と喋りたいよ・・・



そう思って横に行こうとした瞬間・・・





「猛?」




いきなり女の子が猛を呼ぶ声がした。



「・・・げ。多加子・・・?」




・・・多加子?誰?猛の体で女の子の顔が見えない。




「げ。って何ー!?久しぶりー!何?一人??」


高い声でキャンキャンと叫んでいる。



私が猛の後ろにいるから、私の存在に気づいてないみたい。



います!います!私、彼女です!!そう思って前へと飛び出した。



「・・・あっ」




・・・見なければ良かったね。



見なければ、あんな風に落ち込むことも無かったのに。
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