宝石よりも


夜8時。



約束の時間きっかりに、美夜のマンションの前に着いた。



美夜はもうとっくに着ていて、俺が来たことに気づくと目を丸くした。



無理もない。
だって俺は、いつもとは違う服を着ているんだから。


さすがに外をうろつくのにあの服は目立つ。


ということで、今日の俺は完璧に高校生っていうカッコをしている。



「お待たせ」



美夜も、当たり前だけどパジャマではない服を着ていて新鮮だった。

ふわふわと軽そうなスカートが、風に揺れている。



「可愛いね」



俺がそう言うと、美夜は照れたように笑った。



< 28 / 103 >

この作品をシェア

pagetop