闇の花~2人の殺し屋~
「もういないんじゃねぇの」
近くにいた1人の男が言った。
「そうだな。目星のつく奴はいねーし」
こいつらは知らないのか。
諦めて帰っていくのかと思ったら--
「いや、見つけたで」
聞き覚えのある声が聞こえた。
この関西弁・・・
やっぱり。
そして1人の男が側にあった車から出てきた。
「そうやろ、ヒース」
そいつは後ろから私のほうを見てニヤリと笑った。
やっぱり…狙いは私か…
「はぁ~…、その呼び方はやめてよね。あと…場所を変えるわよ」
私はそう言って近くの廃工場に向かった。
***
「久しぶりやな。会いたかったで、ヒース」
工場に行くと、すぐに関西弁の男が口を開いた。
「私は会いたくなかったけどね。鎖紺(サコン)」
私は大きくため息をついた。
この関西弁の男は鎖紺。
見た目通りの殺し屋で、大きな殺し屋グループの幹部。
何年か前に仕事を依頼された。もちろん断ったけど。