闇の花~2人の殺し屋~


――――――――――――



――ラックside――



「冷さん!」


俺はヒースと別れた後、すぐに冷さんの店に入った。






「どうしたんだよ、ラック。何慌ててるんだ?」


冷さんはいつも通り和やかにグラスを拭いていた。






「ヒースの前に…鎖紺っていう男が現れた」



すると冷さんの動きが止まった。


そして少し悲しそうな顔をして「そうか…」と言った。






「冷さん、何か知ってるんすか?数年前のヒースのことも…」



「!! 鎖紺のやつ、そんなことも言ったのか?!」


冷さんは驚いた声を出した。






「い、いや。“数年前”としか言ってなかったけど…」


俺は冷さんの反応に引けてしまった。



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