闇の花~2人の殺し屋~
「なぁ、覚えているか?俺の“足りないもの”がある話」



「えぇ」


忘れるはずがない。



「実はあの時、もう少しで足りなかった“ある感情”がわかりそうだったんだ。そしてお前がいなくなってやっとわかったんだ。

俺の足りなかった感情は“人を愛する感情”だったんだ」




人を愛する感情…?



私にはピンとこない。



「俺にはずっとそんな感情がなかった。
でもお前と会って変わったんだ。ずっと目が離せなくて…やっとわかったんだ。そんな大事な奴を…放っておくかよ!」



ラックの話、頭の中の理屈では理解できた。



だけど…私にはやはりわからない。



“愛”なんて私には無縁の言葉だから。



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