闇の花~2人の殺し屋~
「そう…」



今の私にはこれしか言えなかった。



ラックはじっと私を見たと思ったら立ち上がった。



「これは“山岸 聖”の意見。
今から言うのは殺し屋“ラック”としてだからな」



「…えぇ」



まだ何か言うことがあるのかしら。




「お前は悔しくないのかよッ!敵に捕まって死ぬって。せっかく生きるチャンスが巡ってきたんだ。
『冷血の花』なら自分のことだけ考えて生き残れよ!」



「……」



言葉が出ない。




「それにな、俺はお前に心配されるほど柔(やわ)な体してねーんだよ!
逆に俺がお前を守るつもりで来たんだ!」



…ラックの文句を聞いているとどんどん、ある感情が出てきた。



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