闇の花~2人の殺し屋~
俺は正直、笑えない。



「……」



冷さんもさすがにそれ以上は追及しない。



それもそうだ。


月乃は何年もこの仕事をしてきて、この世界に入って“大切なもの”を見つけた。



そんな月乃に簡単に「やめろ」なんて言えない。




だけど・・・














「俺は…反対だ」














ポツリ呟いた。



月乃のストローを回す手が止まって俺のほうをジトーッと見てきた。



「--何を言ってるの?山岸」



「…確かに月乃がこの世界にいたい気持ちはわかる。

けど…!俺は、月乃には表の世界で生きてほしい」



俺のわがままだってわかってる。



それでも、俺は---




< 286 / 400 >

この作品をシェア

pagetop