闇の花~2人の殺し屋~
「山岸はいつもそう」



は?



月乃の言葉に俺は下げていた頭を起こした。



「『私には生きてほしい』とか『人を殺すな』とかそんなのばっかり!」



月乃の怒りが混じっている声が響く。



「どれだけ私の仕事を否定する気?」



別に…否定するつもりはない。



ただ…!



「山岸こそ、いつまでここに、闇にいるつもり?

あなたはの中の“闇”は消えた。もう心身“光”なのに…」



ゔっ



月乃の冷たい言葉が胸に突き刺さる。




――図星だった。


本当は心のどこかでわかっていたんだ。


前のように俺の心の中には“闇”が消えているということを。



< 287 / 400 >

この作品をシェア

pagetop