闇の花~2人の殺し屋~
「当たり前でしょ。てか、もう闇の世界には入ってる」



あの頃から…冷さんと出会ってから私は闇の世界に足を踏み入れた。


“生”と“死”の狭間で何年も私はずっと覚悟を決めて過ごしてきた。



今更、迷う必要はない。





でも、やっぱり山岸は気に入らないみたいで顔が陰っている。


「なぜ…闇にこだわる…?」



消えそうな、だけどしっかりと聞こえる声。




「なぜ?私は闇に入って大切なものを見つけてきた。だからよ」








光の下で私は咲けない--




闇の下でしか…咲き誇れない--








「…それでも俺は、もうそんなに重い十字架を背負ってほしくないんだ!」


山岸は訴えるように私を見つめる。



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