闇の花~2人の殺し屋~
--山岸side--



“バタンッ”



月乃が出て行った屋上のドアが閉まる音が聞こえた。



でも、そんなものはどうでもいい。














『私は…

闇夜に咲き誇る冷血の花だ』














最後に月乃が……

いや、あの瞳はヒースだろう。



ヒースが最後に言った言葉が頭から離れない。



ヒースの目で俺の目を見つめられたとき、
たったの数秒だったはずなのに俺には長く感じた。




「くそっ!」


俺は屋上の柵を殴った。




本当は、ここに月乃を呼び出したのは…

俺の覚悟を、想いを言うためだった。




それなのに…まんまと月乃に流されてしまった。




すっげー悔しい--




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