嘘つき③【-束縛-】
―――――――――――――…どれだけ時間がたったのか分からない。もしかしたら数分だったのかもしれないし、もっとそうだったのかもしれない。
「…夜中にすいませんでした」
泣かない様に、崩れそうな体を必死で支えて重い体を起こした。
これ以上、この場所にいても、何も変わらない。
痛んで麻痺してるんじゃないかとすら思う胸が、それでもそれを察する。
やっぱり、感情と、理性と、行動は違う。
まだそばにいたいと悲鳴を上げるのに、あたしは背中を返して、玄関に向かっていた。
扉がやけに軽く開く。
向かい側に人がいるだなんて考えもしなかったから。
ああ、もう
今、一番会いたくない人。
どうしたらいいか分からない位惨め。
「琴…音さん」
それなのにあたしは彼女の名前を口にする。