嘘つき③【-束縛-】
琴音さんの瞳が揺れた。冷静さを取り戻す様に、息をつく。
「そうね…あなたも、体だけの関係は惨めでしょう?その先は何もないですものね」
初めて、怒気を僅かにはらんだ嘲笑に似た声が続く。
もっと、怒ればいい。
あなたはそれが出来る立場にいるんだから。
「冴木」
部長の声が低くあたしを遮る。
「冴木、彼女は人形じゃない。君の言葉に傷つく一人の人間だ」
そんな事分かってるよ。悔しいくらい。
琴音さんの瞳が初めて色づいた様に光る。