天然彼女の愛し方(完全版)




「あっ、ありがとうございました!」

『いえいえ~、また今度いらしてくださいね』


大人な対応をする由香理ちゃんに感心しながら
私は廉君に引っ張られて外に出た



雨はすっかりやんでいて


…日もすっかり沈んでいた



廉君が送ってくれると言うので
(何度も断ったのに…)
私は今、廉君のちょっと前を上機嫌で歩いていた




『…今日はテンション高ぇな』

「だって…すごい楽しかったんです!」


なんだか廉君に
また一歩近づけた気がして

今日という日が存在して、本当に良かったと思った


…大げさすぎるかもしれないけれど

それぐらい、今日は私にとって大切なものになった



これからも
もっともっと

大切な日が増えていって欲しいな



廉君のバスケの試合も今度見に行くし…

これからクリスマスもあるし…

年明けにその次はバレンタイン…




私はまだ見ぬ未来に思いを馳せていた



こんなふうに

次の日が楽しみになることって

実はとっても凄いことだよね




『こけるなよ』


…でも

もしかしたら私は
廉君がいるだけでいっつも楽しいのだから

現金な奴なのかもしれません




< 145 / 248 >

この作品をシェア

pagetop