天然彼女の愛し方(完全版)
「あっ、ありがとうございました!」
『いえいえ~、また今度いらしてくださいね』
大人な対応をする由香理ちゃんに感心しながら
私は廉君に引っ張られて外に出た
雨はすっかりやんでいて
…日もすっかり沈んでいた
廉君が送ってくれると言うので
(何度も断ったのに…)
私は今、廉君のちょっと前を上機嫌で歩いていた
『…今日はテンション高ぇな』
「だって…すごい楽しかったんです!」
なんだか廉君に
また一歩近づけた気がして
今日という日が存在して、本当に良かったと思った
…大げさすぎるかもしれないけれど
それぐらい、今日は私にとって大切なものになった
これからも
もっともっと
大切な日が増えていって欲しいな
廉君のバスケの試合も今度見に行くし…
これからクリスマスもあるし…
年明けにその次はバレンタイン…
私はまだ見ぬ未来に思いを馳せていた
こんなふうに
次の日が楽しみになることって
実はとっても凄いことだよね
『こけるなよ』
…でも
もしかしたら私は
廉君がいるだけでいっつも楽しいのだから
現金な奴なのかもしれません