天然彼女の愛し方(完全版)
「だって、時間なくて…ごにょごにょ」
そりゃあ私だって思ったよ
これは男の子には短いだろうなーって
私の手首でぎりぎりだったんだもん
それでも時間と言うものはどうすることも出来ないものでして…
「…ごめんなさい」
『何で謝るの?』
「だってなんか、中途半端…」
さっきまでの気合が入りまくっていた自分が恥ずかしい
つけられないミサンガなんて
どうしようもないものを自信満々に持ってきて…
たぶん私
舞い上がっていたんだろうな
廉君の頑張る姿を見たくて
それのために何か出来ることないかと必死で考えて
はぁ…
なんだか全て空回りだよ
サラッ
髪の毛の間を
長い指が通り抜ける
『十分頑張ったんでしょ?』
フッと
涙が流れそうになる
廉君の優しさに
甘えたくなる
「…ありがとう
でも、作り直すね」
『別に腕につけるものって決まってる訳じゃねぇだろ』
廉はそう言うと
ポケットの中にそれを突っ込んだ
『絶対勝つから応援よろしく』
「うん!頑張ってね!」
私は応援するだけしか出来ない
でも、それだけでも
君がそれを求めているのなら
私は見つめ続けよう…