天然彼女の愛し方(完全版)
「なんでそんなに真っ赤なの?」
もう、可愛い
史上最高に可愛すぎる
可愛らしすぎて
何だか微笑ましさまで感じてしまう
『わ、らうことないじゃ…』
頑張って言葉を発しながら平静を保とうとしている意地っ張りに加え
両手では、俺の持っている布団を奪い返そうとしているあたりがいじらしい
「ごめんごめん」
『感情がこもってないですっ!』
こうやって噛み付くところまで
全ての言動が可愛く見えてしまうから重症だ
「それってさ、ヤキモチでしょ?」
この事実だけで
ニヤけ顔がおさまらない
『…そんな、ヤキモチって言われたって
分かんない…』
ぺたぺたと手櫛で髪を整えながら
さりげなく目線を反らす春華
ごまかしているようだけど
きっと、本人だって気づいてる
分かんないんじゃなくて
分かりたくないだけなんだって…
肩の上まで伸びた髪は何度梳いてもくるっと内にはいってしまう
なのにその行動を何度も続ける意味は
自分を落ち着かせるためだろう