天然彼女の愛し方(完全版)
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コツンと
おでことおでこを引っ付ける
廉君のそんな行動に
私はもういっぱいいっぱい
でも
心の奥のもやもやが晴れていって
じんわり温まってくるようで
ああ…
やっぱり廉君はすごいなぁと思ってしまう
廉君に愛される喜びを知ってしまった私は
もうあの日の私に戻ることは絶対に出来ない
《俺と、付き合ってくれない?》
あの日のように
私は逃げない
廉君から、逃げない…
私は廉君の右手を両手で持ち上げた
少し汗ばんだ、温かい大きな手
それを両手で握り締めると
顔の高さまで持ち上げた
「好き…大好き
廉君しか、好きじゃない」
顔を見てはまだ言えない
だから、今は手を見て言う
祈るような気持ちでじっとそこに焦点を合わせていると
今度は私の手が
廉君の大きな両手で包まれた
私とは違う
細いけど骨ばった大きな手
男の子の手