天然彼女の愛し方(完全版)



眺めていると
…なんだか触りたくなった



ちょっとぐらい、大丈夫だよね


恐る恐る
髪の毛を撫でてみる



耳にかかる程度に長い廉の髪が
春華の手が動かす方向に流れていく



銀のピアスが蛍光灯に鈍く光る

廉君の誕生日にはピアスをあげようか



…なんでこれだけなのに
こんな幸せな気分になれるんだろう




廉君って、すごいなぁ





ところで

さっきから延々と髪の毛を触っているんだけど
廉君は全然起きない


こうなると少し悪戯心がわいてくる…



まずはじめに
ほっぺをツンツンしてみる



…起きない
反応さえない



耳をちょっと引っ張ってみる



…眉間にしわがよった
でも起きない



眉間のしわを伸ばしてみる


…また反応がなくなった
でもほんのりと唇が開いた




なんとなくそれが色っぽくて

私は一人顔を赤くしていた




< 199 / 248 >

この作品をシェア

pagetop