天然彼女の愛し方(完全版)
眺めていると
…なんだか触りたくなった
ちょっとぐらい、大丈夫だよね
恐る恐る
髪の毛を撫でてみる
耳にかかる程度に長い廉の髪が
春華の手が動かす方向に流れていく
銀のピアスが蛍光灯に鈍く光る
廉君の誕生日にはピアスをあげようか
…なんでこれだけなのに
こんな幸せな気分になれるんだろう
廉君って、すごいなぁ
ところで
さっきから延々と髪の毛を触っているんだけど
廉君は全然起きない
こうなると少し悪戯心がわいてくる…
まずはじめに
ほっぺをツンツンしてみる
…起きない
反応さえない
耳をちょっと引っ張ってみる
…眉間にしわがよった
でも起きない
眉間のしわを伸ばしてみる
…また反応がなくなった
でもほんのりと唇が開いた
なんとなくそれが色っぽくて
私は一人顔を赤くしていた