天然彼女の愛し方(完全版)
結局それから開放されたのが10分後だった
『じゃ、俺帰るわ
春華ちゃんと帰るんだろ』
こいつも少しは空気が読める奴だったようだ
(あれ…俺いつの間に空気読めないキャラ?)
でもそれから30分しても春華は帰ってこなかった
_______...
「思ったより時間かかっちゃったかな…」
空はもう真っ暗
冬の一日は短い
3年生を送る会の打ち合わせは
なかなか意見がまとまらなくてこんな時間になってしまった
廉君…待ってないよね
久しぶりの平日休みなんだから
もしかしたら颯太君とかと一緒に帰っているかもしれない
私も早く帰ろ
そんなことを思いながら暗い教室の中へと続くドアを開けた…
パチッと電気を点けたら
「え…」
私の席に座って眠り込んでいる廉君の姿があった
…思わずにやけてしまった私は変態でしょうか?
机に身体を預けて眠る廉君を観察するため
私は前の席へと静かに腰を下ろした
わぁー
髪の毛さらさらだ
まつげも長いし
寝顔はいつもよりか幼くて可愛いな