天然彼女の愛し方(完全版)



久しぶりに間近で見る廉君の顔に見惚れて一拍



「ひゃぁっ!」



自分がパジャマで髪ぼさぼさで

いかにも“寝起き”な格好をしている事に気づいて
その場にしゃがみこんだ




うう〜私の馬鹿ぁ〜

こんな格好で廉君に会うことになるなんて〜


顔から火が出そうだ



ギュッと縮こまってたら
こつんとおでこに何かが当たった



えっ、と顔を上げると
半透明のビニール袋が目に入ってきた



中身は、あの見慣れた赤い箱のほかにも
いろいろなお菓子の袋が詰まっている

廉君には言ったことが無いはずなのに、全て私の好きなお菓子だ



『…デリカシーがなかった俺が悪い』

「ううん、あんな事で怒った私が悪いの」


なんでだろう

あんなにしぶっていた謝罪の言葉が


廉君を目の前にするとすらすらと出てくる



「これ、私のために?」

『…機嫌直すにはどうしたらいいのか考えて、これしか思い浮かばなかった』



なんて不器用で
可愛らしい方法だろうか



『早く受け取って』


レジにこんな甘いお菓子ばかり持って行って、恥ずかしがりながら会計をする廉君の姿が思い浮かんで
心がほわっとあったかくなった



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