天然彼女の愛し方(完全版)
「ありがと、廉君」
ふふふと笑うと
廉が顔を赤くさせて目を反らした
パジャマ姿だって、髪の毛ぼさぼさだって
廉にとってはこの上なく可愛くて仕方が無い彼女なのだ
『あと…これ』
ごそごそとズボンのポケットから取り出したのは
ラッピングされた小さな袋
『誕生日プレゼント、安物で悪いけど』
「開けていい?」
もう泣いてしまいそうだ
震える手でテープを剥がすと
シャラリと音を立ててネックレスが手のひらに落ちてきた
「…さくら?」
ピンク色のモチーフが付いたそれは
「廉君が選んだとは思えない…」
思わず本音が出るほど可愛かった
『どういう意味だよ』
その言葉を聞いてぶすっとふてくされる姿さえも愛しくて
…愛しすぎて
「廉君っ!大好きです!」
自分から廉君の胸へと飛び込んだ
勢いを付けすぎたのか、少しよろけたけれど
それでもしっかりと支えてくれる
『俺も、春華と出会えてよかった』
いつも廉君は
私に望んだ以上の言葉をくれるんだ