天然彼女の愛し方(完全版)



「颯太君すごいです!
さすが廉君の友人だとなんでも分かるんですね」


ほわぁーっと感嘆の声をあげて颯太を尊敬の眼差しで見てくる春華に

…颯太は自分の直感を言うのがためらわれた



『いや、だって…男だから?』


廉今ちょっと…アレだろ?

アレなんだろ?



…欲求不満なんだろ!?



とは、口に出せない




「え?理由は男だからですか?」

『そう、男だから』


察せ!察してくれ春華ちゃん!


颯太の頭の中ではもう一人の颯太がじれったそうにもがいている



「…男の子って分かんないですね」

そして、燃え尽きた



『うん、春華ちゃんはそれでいいよ』


ははっと乾いた笑みを漏らす颯太に
聞き耳を立てていたクラスの男子も同じ思いを抱いていた




「じゃあ、颯太君も彼女さんに触りたくない時ってあるんですか?」

『うーん…まぁ、時々
俺はちゃんと発散してるからいいんだけ『そ・う・た・くん』



その時

ガシッと背後から肩を掴まれた颯太が振り向いた先には


『…ちょっとその話詳しく聞かせてもらえないかしら?』



…颯太の溺愛する彼女が
絶対零度の笑顔で立っていた



『え、ちょっと!亜矢ちゃん!誤解だって~!』

『私に触りたくないって言ったのはちゃんと聞いたんだからね!』


つーんと怒って離れだす彼女を
颯太は慌てて追いかけて弁解をする



春華はそれを見て、またもや不安になっていた



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