天然彼女の愛し方(完全版)
あまりの自分の情けなさに春華の肩に顔を埋めると

春華が背伸びして俺の首に腕を回してきた



『あのね、廉君
私と廉君同じ事考えてるんだよ』



その言葉に顔を上げて
目の前の春華の顔を覗き込んだ


『私なんか全然可愛く無いし
廉君の周りにはいつも綺麗な人がいるし
私と歩いてるのに女の人に声かけられるし
私は高校からの廉君しか知らないから中学とか、小学校から知ってる人がいるともやもやするの』

「そんな…気にしてたの?」

全然関係ないのに

と、呟くと
目の前の春華はニコッと笑った



『ね?』


“関係ないでしょ?”


言葉には出して無いけど
俺を写す瞳がそう訴えかけていた




「…そうだね」



廉は穏やかな顔で笑った



「だけど、男と二人だけで会うのは禁止
ハヤトって男に会うときも誰か女の子と一緒にしてね」


そういうと
春華はキョトンとした顔になった



『じゃあ来た時に廉君に会わせてあげる』







その言葉の意味を

俺は数日後知る事になる






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