天然彼女の愛し方(完全版)



『…帰るぞ』


ぎゅっと手を握られて
その力がいつもより強い事に気づく



…心配させてしまった事はわかっている



でも


だからって…




「廉君!どこに行くの?」

『どこって…お前の家』

「だけど反対方向でしょ!」



私の家なんかに送って帰ったら
いつもより30分帰る時間が遅くなってしまうのに…



『…いいから』



…廉君は未だに不機嫌

というか
何かに対して怒っているようだった




だから


痛いくらいに手を握られていたけど
何も言わなかった…




< 44 / 248 >

この作品をシェア

pagetop