天然彼女の愛し方(完全版)



『…俺が、絶対守るから』

ふいに廉君は独り言のようにぼそっと呟いた



「え…」



心がキュンと鳴る
いや、本当に鳴っている訳ではないんだけど


擬音をつけるとしたらそんな感じ


ドキドキとかキラキラとかキュンキュンとか

廉君は私にいろんな感情をくれる



『これって…俺のせいだろ』


廉君がまだ濡れている髪の一房を触る

もうそれだけで全神経が顔に集まっているんじゃないのかってほど熱くなるのが分かる



「わ、私は大丈夫です!…その代わり」




ぎゅっ

廉君の手を両手で包む



「きょっ、今日は…手繋いでも良いですか?」



憧れていた

楽しそうに手を繋いで帰る恋人たちに


…少女マンガや小説の読みすぎだって笑われるかもしれないけど




ねえ、廉君

今日だけは私に
夢を見させてください




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