天然彼女の愛し方(完全版)



ずっと

廉君の制服のズボンに目線を向けていた



だって顔が上げられなかったから




あれ?
それはなんでだろう?



なんで顔が上げられないと自分で思っているの?



私は空いている方の手で頬を触った



…手が冷たい


違う

私の顔が熱いんだ…



頬に手を添えながら

さっきから一言も言葉を発しない廉君の顔を見るために
目線をゆっくりとあげていった




絶対
怒っているよね…



もし私が大事な話をしているときに逃げられたら絶対に嫌な気分になるし




見たくないと思いながらも


目線はだんだん上に…




腕をたどって



肩のラインから首筋



シルバーのピアスを2つつけた横顔…




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