天然彼女の愛し方(完全版)



廉君はそれからはゆっくりと歩いてくれた



歩幅が違って小走りになっていたのに
気づいてくれたんだろうか…



廉君が何も喋らないから
私もどうしたらいいか分からなくて

しばらく黙ったまま後ろを付いていった



『ねえ、何で逃げたの?』


うっ…なんだか連れ去られて早々罪悪感が沸いてくるような事を…



「ご、ごめんなさい…」


廉君の顔が見れなくなって
私は俯きながら歩いていた



『俺すっげぇ傷ついたんだけど』



「だ、だって…頭の中真っ白になって何だか良く分かんないくらい心臓の音が煩かったし
廉君の顔見たら真っ赤になりそうで顔見られたくなかったし
気がついたら走り出してたというか…と、とにかくごめんなさい…」





今日


頭のねじが外れていたのは私のほうだったのかも…

最後のほうは自分自身何を言っているのか分かんなかった




それに、ぼそぼそ呟くように喋ってたから絶対に廉君には聞こえていないような…



私は涙が目に溜まるのをこぼれないように瞬きを何度もしていた




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