*水玉ドロップ*
そしてその男子生徒はこちらの方を見ると笑顔を向けてきた

少年のような笑顔

真奈美はその笑顔から悪意を持っている人間だとは到底思えなかった

『皆さん、お早うございます。夏休みは充実した日々を過ごすことが出来ましたでしょうか?』


この話し方、それにあの顔

間違いなくあの人だ

「知ってる・・・私、この人知ってる」


「真奈美!静かにしてっ」


真奈美は壇上で話している生徒から目が離せなくなった

もう何年も会っていないあの人だ

真奈美はそう確信した

懐かしさが一気にこみ上げてくる

会いたくて会いたくて仕方がなかった人が自分の目の前にいる

それだけで幸せな気分になった
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