【完】アニキ、ときどきキス
「う・・・いたた」


職員室につき椅子に座る。

首のあたりが妙に凝っていた。

右手を左肩に当て、首をグルグル回していると、山田先生がやってきた。


「北原先生、おはようございます。
肩でも凝ってるんですか?」


「え?何でもないですよ」


・・・・・・言えない。

腕枕してもらって、いつもと違う格好で寝たせいで、首のあたりが痛いなんて・・・・・・。


「あ・・・・・・」


その時山田先生が私の首もとを見ながら気まずそうに視線をそらした。


「どうしたんですか?」


「その・・・・・・」


言うか言うまいか、考えているのだろう。

山田先生の唇は、わずかに開いたり閉じたりを繰り返す。


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