【完】アニキ、ときどきキス
「あの、北原先生」


「はいっ」


二人きりになった私と尾崎さん。

尾崎さんが私に話しかけた。


「あれ以来、遥が全く警察に来なくなりましたね」


「あ・・・あの時は本当にご迷惑をおかけしました」


私は尾崎さんに頭を下げた。


「いえいえ。
私もあの時はきつく言い過ぎてしまって」


尾崎さんは申し訳なさそうに、頭をポリポリと掻いた。


「新と遥。
久しぶりにあったけど、なんだか子どもらしい顔になってる。
北原先生のおかげなんですかね?」


尾崎さんが優しく微笑む。


「新も遥も、両親が出て行ってから無理に大人っぽくしてたから」


「そう、なんですか・・・・・・」


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