【完】アニキ、ときどきキス
え・・・ずっとって・・・・・・?

私が驚いて、目をパチパチと瞬かせていると、尾崎さんが優しく答えた。


「そうか・・・良かった」


「望」


「え!?」


新君に突然名前を呼ばれ、ビックリしてしまう。


「尾崎さんは、俺の両親の借金を肩代わりしてくれた人なんだ」


「尾崎さんが!?」


私は新君を見つめていた視線を、尾崎さんに移す。


「新。そこまで話しをしてたのか?」


「うん」


「そっか・・・・・・」


尾崎さんは、ホッとしたように微笑んだ。



ピリリリッ・・・ピリリリ


その時、新君の電話が鳴った。


「ごめん、ちょっと出てくる」


新君は気まずそうにペコリと私たちに頭を下げ、その場からいなくなった。



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