【完】アニキ、ときどきキス
kiss9 *バレンタインの告白*
「直太朗!
私、直太朗が好きっ!」


教室のど真ん中で直太朗に告白なんて、やるじゃん・・・・・・。

私はそんな甘酸っぱいやりとりを、教卓からじっと見守る。


直太朗に告白しているその子は、両手にしっかりとチョコレートを持って直太朗に差し出している。

確かに、チョコレート持ってくるのは禁止にはしてないけどさ・・・こんなに堂々と・・・・・・。

もうちょっと隠したり、見えないところで渡したりするもんじゃないの?


・・・遠慮されてない私って、先生としての立場、微妙なのかな。


「うおー!直太朗!モテモテー!」


「あついねーっ!」


周りにいる男の子達が二人をグルリと囲んで、冷やかす。


「う、うるさいですわねっ!
後で覚えてなさいよっ」


穂高が顔を真っ赤にして、周りの男子を一喝する。

そう、直太朗に告白していたのは、まさかの穂高。


「あー、穂高が怒った」


「こええ!」


こんなこと穂高に言えるようになったなんて、このクラスも平和になったものだなと、微笑ましく思う。


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