【完】アニキ、ときどきキス
遥の優しさが私の胸をついた。


「私のこと気にして、昨日も言えなかったの?」


遥は涙をためた目で私を見つめ、コクンと頷いた。

私は遥を抱きしめた。


泣きやんで落ち着いた遥を連れて、直太朗を家まで送り、遥と一緒にアパートまで戻ってきた。


新君に話したことを話すと、遥は私を部屋の中に入れてくれた。



1時間ほど話しただろうか。

遥は涙ながらに万引きをし続けた理由を話してくれた。

万引きは親友でもある早川美奈を穂高達からのいじめから守るためにやったということ。

もし万引きをしなければ、美奈をいじめると、遥は穂高に脅されていた。






布団に入り、スースーと寝息を立てて眠る遥の髪の毛を撫でる。


「何も言わなくても気づいてくれる・・・・・・もしかしたら遥は、新君から言われた言葉を信じてたの?」


胸が苦しかった。


「ゴメンね、遥」

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