ヒレン
さわやかなオレンジペコ


スプーン1杯の蜂蜜



少し甘いミルクティーが体に染みていく。



カップを机の上に置いた瞬間、体温(ねつ)の中にいた。

自分の物とは違う煙草の香りが、心に染み渡る。


感情(こころ)の扉が少しずつ、優しく開けられていく。


長く、短い時間。



「乗せてくれる?」


視線を上げ、ようやく声になった一言をかける。




返事の代わりに唇が重ねられた。


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