ソレデモワタシハアナタヲアイス
追えない背中
あれから1週間が経った。
初日ほどではないけれど、やっぱり美咲は俺を避け続けている。
好きな女にここまで逃げられるとさすがの俺だって少なからずダメージがある。
だからと言って俺に出来るのは、ただ答えを待つ事だけだった。
―――正直しんどいかも…―――
部活の休憩時間、俺は体育館を出て軒下に座り込んだ。
授業どころか好きでやっているバスケにも集中出来ない。
この際、もうフラれても良いかも、むしろその方が楽になれるのかも、とさえ思えて来る。
―――どうすっかな…―――
図書室に目を向けると今日も美咲は1人で本に挑んでいた。
体育館から少し顔を出すだけで、校舎の1階にある図書室の中が丸見えだという事にきっと美咲は気付いていない。
―――俺はストーカーかっての―――
そんな事を思ってみてもやっぱり目を向けてしまう辺り、本当に俺はヤバイのではないかと思ってしまう。
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