ソレデモワタシハアナタヲアイス
「今、美咲の返事待ってんのは俺なんだよ!誰だか知んないけど後から出て来て邪魔すんなよ!」
自分でもバカな事を口走ったとすぐに気付いた。
美咲と知らない男子生徒は唖然とした顔で俺を見ている。
後悔をしてももう遅かった。
けれど、この場からこのまま今すぐに逃げる事なんて出来なかった。
「誰?」
苦笑しながら男子生徒が俺を指差して美咲に聞いた。
その態度が俺の怒りを更に煽る。
「美咲!そんなヤツ放っておいて行くぞ!」
居ても立ってもいられなくなった俺は、美咲の腕を掴んでその場から離れた。
「ちょっ!ちょっと待って!」
美咲が置き去りにした相手を気にかけて振り返る。
「ごめんなさい!とにかく付き合う気はないから!」
俺は振り返る美咲も呆然とする男子生徒も気にする事なく、ズンズンと廊下を歩いた。
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