私を愛して
マロンに迷惑をかけないでくださいって強く言われたんだよね。
…しょうがないけど、我慢しよう。まだまだ時間はタップリあるんだから。

 「いいです…。スープで我慢します…スープとベーコンと…シャンパンを…あと」

 「プリンセス、今お持ちいたします。しばらくお待ち下さい!」


へっ?


ポテトチップスとコーラを?



そんなお金あるなんて…

 「シルトってお金持ちなの?」

 「そうじゃありませんよ!」



 「勘違いしていますわ、プリンセス。ポテトチップスとコーラは高価ではありません。むしろ逆です」


シルトはそう言うと、頬を赤らめ少し照れるように、古びた小さな窓を開けた。


すごい…

こんな小さな窓なんて、始めてみたわ。
きっと木の素材が高すぎるから、小さな窓しか設置できなかったのね。

 それにしても…ポテトチップスとコーラは高価じゃないの?

 「マ~ジ~!マ~~ジ~!カモン!」

と、シルトは犬を呼ぶようにまーじーを呼んだ。


まーじーって誰かしら。


 「シルト、まーじーって?」

 「…恥ずかしいのですが…私の恋人ですわ。ちょっとお待ちくださいね」

恋人!
ひぇー…

恋人なんて王国ならお金を出さなければ出来ないのに…。

お金持ちなのよ。

やっぱりシルトは…

 私はシルトを少し睨んだ。
嫉妬しちゃう。私だって恋人ほしいのに。

 「♪僕は君が好きだよ~シルト♪
…なんだい?シルト」


歌?

僕は君が好きだよシルトって…


シルトって

シルトじゃありませんの~!?

 「マージー、あんた、ポテトチップスとコーラ買ってきて!」

 「えぇ!今掃除中なんだけど…」

 「早く。私が好きなんでしょう?!」

 「へいへい」





ポテトチップスとコーラをくれるの?!


 「キャァァ!シルト!あなた最高よ!ありがとう!」


私はシルトに抱きついた。




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