私を愛して
「ほい、メロン!450円ね!」
「はい」
「やったぁ!」
ソフトクリームを受け取る彼女は、すぐさま食べだした。
「おい!こぼれる!」
そういい終わらないうちにぐらりと揺れる小さな身体。
「あぶなっ…」
―――ガッ―――
「あ…」
ラヴを右手で支え
ソフトクリームを左手で受ける。
まるでマンガみたいな体制になって、周りのカップルにおもいっきり笑われた。
ったく…
「こら…」
「ゴメンなさぁい…」
「まったく…」
小さくなったラヴの身体。
やば・・・
可愛い。
周りなんて気に出来ねーし。
俺はクルッと後ろを向いて、顔を抑えた。
“あの人顔真っ赤”って言われても別に否定しなかった。
ラヴが好きだと気づいてから、なんだか俺…バカみてーに意識してる。
俺って、好きな人できたら周りにすぐバレるタイプだ…。
ってか、俺ラヴを好きになるの早くないか?
俺って軽い?!
「なっ、なあ、記念になんかかわねぇ?」
「へ?」
「俺さ。お前とあえてよかった。
だから、記念に何か買おう」
「・・・うん」
ソフトクリームを食べるラヴの顔は髪で隠されていまいち良く見えないけど…
多分赤くなってるんだろうな
するっと伸びてくるラヴの細い手。
その手は俺の腕に巻きついた。
「…いいでしょ?またこけちゃう」
「…ああ」
俺はラヴがこけないよう、ゆっくりと歩きだした。