霊務
【初仕事ー9】


オッサンは思った。


さっきの若者達が不憫で可哀想だと。







こん~~な恐ろしい写真を見せられて、
オッサンは若者に、ただただ同情するだけであった。








そんな事をよそに
礼子は、ガッツリ喜んでいた。








「やった~!やった!
人間をビビらせたぞ~!」







その喜んでる様を見て
オッサンは呆気にとられていた。







(まさか、一回の心霊
写真で昇級してしまう
とはな……)







これは、長年オッサンも見たことのない
前代未聞の快挙であった








「ご、ゴホン!
たまたま運が良かった
みたいだな礼子君。

キミは昇級はしたけど、
次からはそう簡単にいかないから、身を引き締めるように」







「え?私、昇級したの?
じゃあ、次は写真に写る
以外に、何か出来るようになるの??」






「次は声を出すことが
可能だよ。

まあ、これからが本番だ」








「そっか。ヤッタ★
じゃ、とにかく今日は
もう仕事で疲れたから、私、寝るわ」







「え!!」








そう言うと礼子はその場にゴロンと横になり、眠りについてしまった。







「あの~~
霊だから寝る意味はないんですが……」






オッサンの声は、すでに礼子には届いていなかった…
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