師匠はコスプレ☆メイ探偵
師匠は、

「そりゃ、読めるだろう」

 言って紅茶を飲むと、喋り出した。

「この“サフィルスの星”は先日安西邸から消失した“ルビヌスの星”と対のデザインで作られたものだそうだ」

 新聞の情報より詳しい。

 類は身を引いて、椅子の背もたれにゆったり座ると、師匠を見た。

「それで?そんな大きな事件に首を突っ込むつもりですか?」

「だから、私のライフワークだと言ってるだろう。

“ルビヌスの星”と対ということは、これもモゴーグ国の博物館から盗まれたものだということだ」

「で?師匠に何が出来るんですか?」

「犯人探し。

それに、次に狙われるものの目星が付いている。

犯行を阻止できるかもしれない」

「ただの一探偵が、ですか?」

「とにかく、仕事が終わったら、迎えに来てくれないか」

 類のポケットで、マイタイマーがけたたましく鳴り出した。

 類は慌ててそれを止めると、

「じゃ、会社に戻らないといけないんで」

 言って立ち上がった。

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