師匠はコスプレ☆メイ探偵
「彼女、ときどきあたしに無性に会いたくなって、昼休みに電話してくるんですよ。

一日でもあたしに会えない日があると、生きてる気がしないんだって」

 湯佐は気持ち悪そうに類を見た。

「こんなヤツと一緒に働きたくない」

「あら、一緒に働いたことなんかなくってよ。

たまたま一緒の開発室勤務なだけじゃないですか」

 類はゴム手袋をして、流しに浸かっているガラス器具を洗う体勢に入った

「また濡れちゃうわよ」

 ミドリ先輩が近づいてきて、類の白衣の袖を丁寧に織り上げてくれた。

「わっ、神崎、気をつけないと、そいつに狙われるぞ。

そいつ、レズビアンなんだぞ」

 白衣姿の麗しい、ミドリ先輩は黙って類を見た。

< 155 / 357 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop